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なかなか治らない口臭
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全国4000人を対象に実施した『オーラルケアに関するアンケート調査』(※1)では、半数以上の人が口内環境について悩みがあると回答しています。

悩み別の内訳(複数回答)を見てみると、「歯石や歯垢」と回答した人がおよそ60%で最も多く、「口臭」がおよそ50%、歯周病がおよそ40%で続きました。

(※1)ソフトブレーン・フィールド株式会社が実施した調査
https://www.sbfield.co.jp/press/20170905-11472

このアンケート結果からわかるように、口臭で悩んでいる人は非常に多いようです。
確かに、口臭は一度気になりだしたらなかなか改善せず、精神的なストレスも計り知れません。
ではその原因はいったいどこにあるのでしょうか?

口臭の原因は主に3つ

-生理的口臭

私たちは生き物であり、中でも口はいろいろな食べ物の通り道である以上、多少の臭いがあることはごく当たり前のことだと言えます。
とくに空腹時や食事後の口臭は誰にでもあるものです。
このような口臭は「生理的口臭」といい特別な治療は必要ありません。

-心因性口臭

生理的口臭を気にしすぎてしまったり、実際には臭いがほとんどないのに自分の口は臭うと思い込んでしまったりすることもよくあります。
最近ではエチケットとして体臭を非常に気にされる方も多いので、わずかな臭いにも敏感な方が増えています。
このような口臭は「心因性口臭」といい、医療の治療対象です。
実際には悪臭と呼べるほどの口臭はほとんどないので、治療の方法はカウンセリングをはじめとした心へのアプローチが中心です。

-病的口臭

周囲の人がわかるほどの悪臭を放つ口臭のほとんどは「病的口臭」に分類されます。
病的口臭は名前の通り、口腔疾患などの病気が原因となっている口臭で、多くの場合口の中のトラブルが悪臭の原因となっています。
例えばむし歯があったり、義歯に汚れが付着していたりすると周囲の人にもわかるほどの悪臭が発生しますが、これは細菌が悪臭の元になっています。
したがって、口腔内のトラブルが元になっている病的口臭では、治療でむし歯や汚れを取り除けば口臭はかなり改善されます。

嫌な口臭、歯周病のサインかもしれません

病的口臭の主要な原因には、歯周病(歯肉炎)も含まれます。

歯周病というと歯ぐきの病気だというイメージが強く、代表的な症状としては歯ぐきが腫れたり、歯みがき時に出血したりすることが知られていますが、こうした症状は歯周病菌が歯ぐきに炎症を起こすことでもたらされます。
細菌が繁殖している歯垢(プラーク)自体や、感染した歯ぐきの膿がひどい悪臭の発生源になってしまいます。

冒頭のアンケート結果を見ると、口臭と共に「歯石や歯垢(プラーク)」がトップの悩みに入っていましたが、歯石や歯垢がたまっていて口臭があり、さらに歯ぐきの腫れや出血もあるようなら歯周病の初期段階である歯肉炎が疑われます。
実際、3番目に多い悩みは「歯周病」となっているので、歯周病が口臭の原因になっている人が少なからず含まれていると考えてもいいでしょう。

歯肉炎は放っておくと歯茎だけではなく、歯を支えている歯槽骨も溶かしてしまう歯周病に進行してしまうものですが、痛みはあまり感じることがなくなかなか自覚できないところに恐ろしさがあります。

もちろん口臭や歯ぐきからの出血だけでは歯周病という判断はしにくい場合もあります。
しかし、軽度の歯周病が進行し始めたサインかもしれないと疑って、早めに歯科受診をされることをおすすめします。

歯周病の治療法とは

歯科医院では次のような方法で歯周病の治療を行います。

歯ぐきだけに炎症が見られる歯肉炎の状態の場合では、歯石や歯周ポケットにたまっている汚れを取り除き、継続的に歯垢(プラーク)のコントロールができれば元の健康な状態を取り戻すことができます。

歯石や歯周ポケットの汚れは自力では取り除くことができないので、歯科衛生士による初期治療処置が必要です。

歯肉の炎症と歯槽骨の吸収が見られる歯周病の場合には、骨まで溶け始め、だんだん歯ぐきが下がってくるため、それ以上骨吸収が起きないように歯科医院にて定期的にメンテナンスしていく必要があります。

いずれにしても、歯周病は歯周病菌による感染症です。
歯周病菌にもいくつか種類がありますが、口腔内の検査をしてそれぞれの細菌数を調べることでリスクの高さを調べることができます。
リスクが高いと診断された人は、抗菌療法で除菌をしておくと予防の効果が期待できます。

定期健診を活用しましょう

歯周病や口臭を予防・改善するためには、ご家庭でのセルフケアはもちろんのことですが、歯の専門家が行う定期健診やプロケアが非常に効果的であることが明らかになっています。

冒頭で紹介したアンケート調査では、歯科医院で定期健診を受けている人が半数弱に上り、欧米の歯科先進国に及ばないものの、予防意識が日本でも徐々に浸透しつつあることが伺えます。

ところが、定期健診に通う頻度は半年に1回が最も多く、3ヶ月以内に1回と答えた人は全体のおよそ40%だけでした。
歯周病は今なお歯を失う最も大きな原因です。
いつまでも健康な歯で食事や会話を楽しむために、歯ぐきの腫れや出血さらには口臭といった代表的なトラブルに気がついたときはもちろん、自覚症状がないときでも予防意識をさらに高めていくことが大切です。

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