ITベンチャー「ミナカラ」は、患者がスマートフォンの専用アプリを使い薬の処方箋(せん)を撮影・送信するだけで最短30分で薬の宅配を受けられるサービスを展開しています。
同社によると、利用者はまず「おくすり宅配アプリ」で処方箋を写した画像を送信する。注文を受けた提携薬局の薬剤師が調剤の上、30分~3時間でバイクなどを使って宅配。患者らと対面して薬の説明など服薬指導を行う。
対象になるのは、外出が難しい高齢者や乳児らがいる家庭。いまのところ東京都のJR山手線の内側と渋谷・世田谷・新宿各区に対象地域が限られている。
すでに試行実施の意味も込めて無料でのサービス展開に着手。今後、薬代とは別に宅配にかかる費用などを「サービス料」として1回あたり千円を患者に負担してもらうことも計画している。
とても画期的ですばらしい発想ですね。
しかし、スマホ所有率は71%(博報堂DY2016年6月)になったものの、60代の世代では31.2%。
外出が難しい高齢者はほぼこのサービスは使用できません。
子ども持つ若いお母さんはよっぽどの理由がない限り薬を受け取るのにプラス1000円余分に払うでしょうか。
最近の野菜高騰などそれ以外での出費が増える中、都内であれば調剤薬局はそこらじゅうにあります。
増えすぎた薬局は廃業もちらほら。
今後在宅が増えることは目に見えております。
また訪問で調剤薬局が、薬剤師訪問サービスも多く進められています。
スマホのアプリもとてもいいと思いますが、高齢者の方にとっては、寝たきりや外出が困難になる前からの顔見知りの薬剤師さんと訪問してくれた際に交わす、ちょっとした会話がなによりの薬となります。
医療分野ではアプリありき、ビジネスありきで考えられたアイデアは、本質的な部分での課題解決には至らないのかもしれません。